コネクタメーカー イリソ電子工業

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株主・投資家の皆様へTO SHAREHOLDERS AND INVESTORS

株主・投資家の皆様へ

株主・投資家の皆様には、平素から格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
第57期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)のご報告を申し上げます。

当連結会計年度における世界経済は、各地で新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限から正常化へと動きが進んだ一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的なインフレや金融引き締め等、不透明な状況が継続しました。 当社グループの主要事業領域である自動車の生産・販売台数は、半導体等の部品不足が緩やかに解消することにより回復傾向にありますが、中国のコロナ政策の転換による生産活動の停滞等の要因も加わり、未だ正常化には至りませんでした。

このような不透明な事業環境ではありますが、当社グループは、パワートレイン分野の電動化促進に伴う販売拡大と為替が円安で推移したことにより、連結会計年度での最高売上高を更新しました。主力である車載市場の売上高は、第1四半期における中国でのロックダウンや半導体等の供給制約の影響を受けたものの、前期比22.0%増となりました。特に、パワートレイン分野では、xEV(EV、FCHV、PHV、HEV)の生産・販売台数の増加や当社独自のパワートレイン機器向け耐振ソリューションサービスを活用した受注拡大により、売上高が前期比で84.2%増加し、増収の牽引役となりました。コンシューマー市場では、ゲーム機向けの需要が増加し、増収となりました。インダストリアル市場は、第3四半期から中国向けでの設備需要の調整があったものの、上期にFA機器向けの需要が増加したことにより、増収となりました。以上の結果、売上高は、前期比20.6%増の529億3百万円となりました。

利益面では、第1四半期における中国でのロックダウンに伴う上海生産子会社の稼働停止や原材料価格の高騰等の影響を受けたものの、第2四半期から売上高の回復、収益構造改善の取り組み、原価低減の推進により、営業利益は前期比53.5%増の69億4千万円、経常利益は前期比58.3%増の76億6千1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比41.6%増の55億4千1百万円となりました。

なお、第1四半期の中国でのロックダウンに伴う上海生産子会社の稼働停止の影響を特別損失として3億6千4百万円計上しました。

次に今後の見通しについて申し上げます。

①市場環境

・車載市場
当社の主力である車載市場においては、半導体等の供給制約の緩和により生産活動は正常化へと向かうものの、2024年3月期のグローバルでの生産台数は各国の景気減速を受けて前期比微増に留まると見込んでいます。一方で、xEVは世界的な脱炭素の動きによる推進効果や各自動車メーカーの取り組みにより成長を見込んでいます。

・コンシューマー市場、インダストリアル市場
巣籠り需要の終了による反動や中国での設備投資需要の一服感から2024年3月期は上期を中心に調整局面が続くと見込んでいます。

②2024年3月期の重点施策

このような不透明な環境下ではありますが、xEV市場の成長を捉え売上拡大に努めてまいります。利益面では、中期経営計画に対して、自動車生産台数減、原材料価格の高騰等の影響により、下回る状況となりますが、以下の5つの施策を継続して注力してまいります。

・収益構造改善プロジェクトの刈り取り
・戦略製品のラインナップ強化
・営業力の強化
・生産能力拡大、BCPの強化
・新ERPシステムの円滑な立ち上げ

③2024年3月期の見通し

連結売上高550億円(対前期比4.0%増)、連結営業利益77億円(対前期比10.9%増)、連結経常利益75億5千万円(対前期比1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益 57億円(対前期比2.9%増)を見込んでおります。為替レートは、130円/ドル、140円/ユーロ、19.5円/人民元を前提としております

株主・投資家の皆様におかれましては、今後ともより一層のご支援・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

2023年6月
取締役会長 佐藤定雄
代表取締役社長  鈴木 仁